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FX〔外国為替証拠金取引〕を始めよう |
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投資と言っても色々とありますが、ギャンブル的な危険が伴うものは避けたい、という気持ちが強い人が多いと思います。とはいえ、この超低金利時代に元本保証の預金で金利を得るのは、ほとんどの人にとって、現実的な投資法ではありません。
外貨預金という選択肢もありますが、やはり元金が物を言いますし、FXと違って、決算時期を自分で決められないというリスクがあります。それに外貨に替える際の手数料も高いです。
「あまり危険が伴う投資は嫌だし、元金も多くは用意できない…」、そんな方でも、やり方を間違えなければ、危険を伴うこともなく、資産を大きく増やせる可能性がある投資法、それが“外国為替証拠金取引”、通称「FX」です。
さらにFXは、取引注文から決算までを自動で行うことも可能で、サラリーマンなどの、本業が別にある方の副業にも、非常に適していると言えます。会社に出社する前、もしくは仕事を終えて帰宅した後、5分程度の時間があれば取引が可能です。
ここでは、“証拠金取引”という、何だか聞きなれないが故に、危ないと誤解されがちなFX独自の仕組みを解説したいと思います。 |
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FXの基本的な仕組み |
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FX初心者の方でも、経済のニュースなどで、“為替(かわせ)”とか“円高(えんだか)・円安(えんやす)”といった言葉を耳にしたことがあるでしょう。為替とは、“外国為替取引”のことで、“2つの異なる通貨を交換する取引”のことです。例を挙げると、
- 日本円を外貨(米ドル・ユーロなど)に交換する
- 外貨を日本円に交換する
- ある外貨(米ドル)を別の外貨(ユーロ)に交換する
などが外国為替取引に当たります。テレビのニュースで、「本日の為替相場は1ドル=115円50銭でした」といった言葉を耳にしたことがあると思います。これは米ドルと日本円の交換レートのことを表しています。
現時点で“1米ドル”の価値は、日本円に換算すると“115円50銭”だということです。アメリカでコーヒー1杯を飲むのに1ドル掛かるとすると、日本円で115円50銭を支払わなければならないことになりますね。
そして為替の基本的な概念である“円高・円安”ですが、
- 円高=外貨に対して日本円の価値が上がること
- 円安=外貨に対して日本円の価値が下がること
を表しています。例えば、“1米ドル=115円”という交換レートだったとすると、アメリカでコーヒー1杯が1ドルだった場合、日本円で115円を支払わなければなりません。しかし時が経って、“1ドル=110円”となったらどうでしょう。コーヒー1杯110円で買えることになりますね。5円安く買えることになります。
このように外貨に対して日本円の価値が上がることを“円高”と言います。全く逆に、“1ドル=115円”だったのが120円になったとすると、外貨に対して日本円の価値が下がったことになります。これを“円安”と言います。
つまりは、“1ドル=115円(円高)”の時に円をドルに交換して、“1ドル=120円(円安)”になったら、所持しているドルを円に戻せば、5円の利益が発生しますよね。これを“為替差益”と言います。FXとは、この為替差益でガッポリ稼いでしまおうということです。 |
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証拠金取引とは? |
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前述で為替の仕組みと円高・円安について、そして為替差益の解説をしましたが、それだけでは外貨預金と何ら変わりません。これからFX独自の“証拠金取引”という、言い方は悪いですが、貧乏人でもワクワクしてくるような仕組みを解説しますね。
FX取引を行うためには、専門の取引会社にFX口座を開設する必要があります。
これは後の“FX口座の比較と解説”で熟考して頂くとして、取引を行う際、FX口座に一定のお金を担保として預ける必要があります。この担保金こそが“証拠金”に当たるもので、FX取引の最大の特徴と言えるものです。
外貨預金の場合、預けた金額に応じた為替差益しか受け取れませんが、FXの場合は、一定の証拠金を預けることで、その何倍、何十倍もの金額を取引することが可能なのです。取引会社にもよりますが、5万円程度の金額を預ければ、その20倍に当たる100万円分の取引をすることも可能になります。
このように、小さなお金で大きなお金を動かすことが出来る仕組みを、FX用語で“レバレッジ”と言います。レバレッジとは、“てこ”のことです。この“てこ”の原理で小さな資金を何倍、何十倍にもしている、セレブ状態のリーマンやOLがいる理由が分かって頂けたでしょうか。 |
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レバレッジのリスク |
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レバレッジは取引会社にもよりますが、基本的に自分で自由に設定できます。トシなんか怖くて、とてもじゃないけど設定できませんが、レバレッジを200倍(10万円の証拠金で2,000万円を運用できる)に設定することも可能です。
※国の規制によって、最大レバレッジに制限が設けられました。2010年8月1日、最大レバレッジ50倍→2011年8月1日、最大レバレッジ25倍となりました。トシみたいなセコセコトレーダーには、影響がないんだな…。
レバレッジを1倍に設定すると、ちょうど外貨預金と同じ状態になります。逆にレバレッジをを高く設定すればするほど、稼げる可能性もありますが、リスクも大きくなるということです。 |
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ちょっとシミュレーションしてみましょう |
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“証拠金10万円”、“レバレッジ10倍”で、資金を運用すると仮定します。現状の為替は“1米ドル=100円”とします。レバレッジ10倍ですから、100万円をドルに交換することになります。
為替取引においては、“100万円を使って、100万円分の米ドルを買う”と表現します。FXでは取引を行っている状態のことを“ポジションを持つ”と表現します。この場合、“買いポジション”を持っている状態です。逆に外貨を使って日本円を買う場合、“売りポジションを持つ”と言います。
100万円の買いポジションを持った状態で、米ドルに換算すると1万ドルを所持していることになります。時間が経って、“1ドル=100円”から“1ドル=95円”と円高が進みました。するとどうなるでしょう?
“1ドル=100円”の段階で“1万ドル=100万円”です。“1ドル=95円”となると“1万ドル=95万円”です。あちゃー、現時点で円に戻すと、5万円の損失が出てしまいます。このまま円高ドル安が進んで、損失が膨らんでいくと、大半の取引会社では“マージンコール”という警告を発します。証拠金の50%の損失が出た時点で発せられることが多いです。
預けている証拠金は10万円、レバレッジは10倍ですから、理屈では、“1ドル=90円”となった時点で損失は10万円となりますが、マージンコールを発する取引会社の場合、証拠金が全てなくなることを防ぐための処置として、さらなる証拠金の支払いを求めてきます。これを“追証(おいしょう)”と言います。追証を支払わなかった場合、5万円の損失を出した段階で、強制的に取引は終了となります。この仕組みを“強制ロスカット”と言います。
レバレッジをうまくコントロールすることで、利益が大きく左右されることになります。これはもう、取引を重ねて経験を積んでいくしかありません。レバレッジは3倍以内なら絶対安全、5倍ぐらいでも、かなり安全な取引が可能ですから、うまくコントロールして下さいね。初心者の方は、無茶は禁物です。 |